山の花便り’ 04年        撮影・細川 正  文・ざいる   剱岳想望   剱岳にて

なめこ (モエギタケ科)  この写真のなめこは、撮影の後採取され我が家にやってきて、夕食のなめこ汁になりました。山採りのなめこは、市販のものと違って傘が開き、大きいものは椎茸ほどにもなります。始めは醤油仕立てのなめこ汁、翌晩は味噌仕立てのなめこ汁、翌々日の朝は味噌汁の具にし、最後は甘口醤油で煮詰めて大根おろしとあえて酒のつまみにして食べました。食費が浮いて・・・おなかがいっぱい・・・ご馳走様でした。
ヤマハギ  (マメ科) 秋の七草のひとつ。ちなみに秋の七草は、クズ、ススキ、ナデシコ、キキョウ、オミナエシ、フジバカマ、ハギです。
ついでに春の七草は、セリ、ナズナ(ペンペングサ)、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(現在のホトケノザではなくタラビコの事)、スズナ(カブ)、スズシロ(大根)です。
春は地面近くで葉を広げている菜っぱの七草ですが、秋は花を指して(ススキは別として)いるんですね。今、気がつきました。調べてみると春は七草粥を食べて無病息災を祝い、秋の七草は眺めて楽しむ為のものだそうです。
ミヤマダイモンジソウ (ユキノシタ科) 「深山大文字草」と書きます。若い頃、先輩に名前を教えてもらって、すぐに納得し覚える事が出来た花です。なにせ見たまんまの形なんですから。
5枚の花びらの内、なぜか2枚だけ長いので漢字のの字に見えます。
「こっちはきれいな大の字だよ、そっちはいびつな大の字だ〜。」足元に咲くミヤマダイモンジソウを眺めながら仲間と楽しく剱岳を登ったものです。
カライトソウ (バラ科ワレモコウ属) 唐糸草 唐から来たキヌイトソウの意味。
この花との出会いはもうだいぶ前、園芸に凝っていた頃に花の通販カタログで見た時です。すぐに気に入り注文しました。2〜3年はすくすく育っていましたが、蒸し暑い気候が合わなかった様で絶えてしまいました。本来の生育地は、亜高山〜高山との事、可哀想な事をしました (*_*;
ウサギギク (キク科) 名前の由来は、春先に出る直立した2枚の葉の姿をウサギの耳にたとえたもの。鮮やかな花色なので、金車(キングルマ)と呼ばれていた事もあったそうです。
一本の茎に一個の花がつく、それはまるでヒマワリの様に、私には見えました。それで、昔こんな詩を作りました。

           山のおしゃべり達が集まった  岩棚に集まった
           山の小さなヒマワリ ウサギギク  あっちの岩棚 こっちの岩棚
           風に乗って歌い出す  山の歌を  空の歌を  星の歌を
ヨツバヒヨドリ (キク科フジバカマ属) 剱岳登山口周辺でも良く見られる花。
良く似た花は、ヒヨドリバナ、サワヒヨドリ、フジバカマがあり、私は良く知りもしないで絶滅危惧種の「フジバカマ」を見つけたと思っていましたが、あまりにも沢山咲いているので調べてみると葉が三深裂しているのが「フジバカマ」との事だった。やっぱりね。

いつか新聞に、どこそこに自生しているのを発見、との記事が出ていた気がする。よ〜く頭にインプットして・・・私も自生の「フジバカマ」を見つけてみたい。
オオレイジンソウ (キンポウゲ科) 伶人(雅楽を奏する人)の冠に花の形が似ているから付いた名前。そう言えば後ろに垂れ下がった帽子に似ています。
結構大型の花ですが、近くに色合いの似たコバイケイソウの花が咲いていたりして、気がつかない人が多かったようです。

私は登りで見つけ、帰りに教えようとしましたが、なぜか見つける事が出来ませんでした。山では良くそんな事があります。残念でした。
イワイチョウ (ミツガシワ科) 岩銀杏と書くが岩場には無くて、湿原や雪田周辺に生え、地下茎で増える。地下茎といえば、うちの庭ではドクダミ、フキ、ヒルガオ、ミョウガ、シャガ、芝も地下茎で増えている。なんせすごい繁殖力で、育てなくても勝手に育ってくれる。そんな地下茎でもさすがに岩場では歯がたたないよね。銀杏と名がつくのは、葉の形が扇状で似ているからだそうだが、私はてっきり秋に葉が、きれいな黄色に染まるからだと思っていた。銀杏と聞けば、普通あの黄色い葉を連想しませんか?
以前はリンドウ科にまとめられていたそうだが、ミツガシワ科を独立させて分類するようになったという。
ミヤマリンドウ (リンドウ科)
梅雨明け宣言もまだ出ていない7月の始め、主人はテレビドラマのエキストラを立山の浄土山でする事になった。ほんの数秒のカットでも何回もリハーサルを重ねる。そんな待ち時間の合間に、すかさずカメラで花の写真を撮る。リンドウは、晴れなければ咲かない花だ。
こんな梅雨時にめったに無い青空が広がり、撮影は、はかどった。日程が大幅に短縮され、おかげで翌日のエキストラとして下界で待機していた友人の出番が無くなった。室堂に上がって来なくていいと電話で聞いた友人は、かなりがっかりしたそうだ。ちなみに放送は、10月頃の予定。
オオバミゾホオズキ (ゴマノハグサ科)
CANさんからメールを頂きました。・・・・「今日も、魚津の帰り写真展寄りたいな〜と思いながら、夫が待っているかと思ったらやっぱりトンボ帰り。悲しきかな習性。ウコンウツギ?こちらでは、オオバミゾホオズキと言います。いかがでしょう?」どちらもこちらもオオバミゾホオズキです。わたしが間違ってウコンウツギと載せていました。ご指摘、有難うございます。道理でなんだか草丈が小さいな〜と思っていたんです。
シラネアオイ (シラネアオイ科)
早月小屋の前、池の谷側に咲いていた。まさか人間が植えたんじゃないよね。もちろん、そんな事はいけません。途中の登山道でもシラネアオイがずいぶんありましたから、ここではそんな事はありません。ただ、出来るだけ人間の手の付かない状態で自然を後世に引継ぎたいものだ、そう思っています。山を守る為には、歩き方もむやみにストックを突いたりしない。撮影と称して登山道からお花畑に踏み込まない、などの配慮もほしい。手付かずの自然の為に、登山道の無い山 聖域 を残しておきたいと思うのは、極論でしょうか。
サンカヨウの実
以前ご紹介したサンカヨウがもう食べられるまでに育った実をつけていた。。早速、登りで食べる。 
うっ!(#^.^#) 程良い甘さと酸味そして タネ タネ タネ ・・・ぷっぷっぷっ・・・種を機関銃の様に放射、気持ちい〜い。下りでも食べた。うっかり日なたのを口にすると生暖かくていけない。日陰の実を食べ直し。うまい!(#^.^#) そして種を・・・ぷっぷっぷっ・・・次はまとめて8っ個ほうばった。
マイヅルソウ (ユリ科)
早月尾根の登山道脇にびっしりと生えている。小さいので大きな木の下では目立たない。
暗い所では花を付けていないが、そもそも葉の形を鶴の羽に見立てた名前なので、葉だけでも見分けやすい。
鶴が舞うで舞鶴草と書きますが、私は折鶴を連想してしまいます。
ユキザサ (ユリ科)
雪笹 葉が笹で花が雪に見えるから付いた名前。雪柳もそんな感じですね、葉が柳で花が雪に見える。早月尾根の下部森林帯の登山道で、多少明るい場所に群生していた。

剱岳は、何かの花が大群落を作ると言う事は無いが、その分いろいろと種類が多いのではないかと思う。こうして早月尾根を登って見ると、その時期その時期にいろんな花が、入れ替わりで咲いている。たとえ見過ごしても、標高が上がると、これからだったりするので楽しみだ。
ギンリョウソウ (イチヤクソウ科)
銀竜草 別名 ユウレイソウ ユウレイタケ まさに幽霊の様な白い透き通るような草だ。葉緑素が無く光合成を行わない腐生植物。
早月尾根の下部森林帯の落ち葉の中からニョキッと頭を出していた。これから背丈が20センチ位に伸びるんだろう、生まれたてはまるで白い石ころの様で始めは全然気がつかなかった。
花が咲き、白い実が成るまで、ちょっと注目していたい。
近くではカタクリが種をつけていた。葉は枯れて消える寸前、夏前には跡形も無くなっているだろう
いよいよ木々の葉が繁り、日影を好む植物達の出番だ。
ハクサンイチゲ (キンポウゲ科)
夏山で必ず目にとまる花。結構、山の花としては大きいのと群生しているのと、山のガイドブックに必ず登場しているので、いつの間にか覚えてしまう。それなのに白い清楚な部分が、ガクだと知ったのは、たった今。「山の花便り」を綴っていると自分自身の勉強にもなります。
ちなみに 白山一花 と書きますが、とてもとても、一花 だなんて、いつも集団で咲いてるし、白山で一番の花?う〜ん、そっちかな。
イワハゼ  (ツツジ科)
早月尾根の登山道の真ん中に咲いていたりする。傾斜が急なところで踏まれずに残ったものだ。
下からあえぎながら登っていて、ちょうど目の高さなんかに、このイワハゼの赤い実が成っていたら、つい食べてしまう。とても小さな実なので喉を潤す事は無いが、「またいつものように食べたよ」という感じで満足する。そんな実の一つだ。

別名・・アカモノ とも言われている。赤いもの、かと思ったら赤桃という事だそうだ。
ムラサキヤシオ (ツツジ科)
ミツバツツジより少し標高の高い所で見た 紫八汐 若葉との色のコントラストが美しい。
早月尾根の荒々しい斜面に岳樺やオオカメノキなどに入り混じりながら、負けずと咲いていた。登山者のまだ少ない6月の静かな早月尾根にそっと華を添えて。
ツクバネソウ (ユリ科)
 昔、子供の頃遊んだ「羽根突き」の道具で羽子板と追羽根の、追羽根に花が似ているから付いた名前 羽根草
花の色は、緑色でとても地味。でもよ〜く見てください、追羽根に見えませんか? 早月尾根の樹林帯登山道脇に結構たくさん咲いているので覚えてあげてね。何?追羽根を知らないってか (*_*; バトミントンのシャトルみたいなものよ。
ニリンソウ (キンポウゲ科)
花が2個つくので二輪草と名づけられたそうですが、1個のもあれば3個のもある。それとは別に一輪草や三輪草もあって間違えやすいかも。
一輪 二輪 三輪 だなんて、一郎 次郎 三郎 並のネーミングでおもしろい。

早月尾根松尾平辺りに咲いていた。
ミツバアケビ  (アケビ科)
イヤ〜黒かったです。アケビにもいろいろ種類があるんですね。剱岳登山口、馬場島駐車場のアケビ。若葉の陰でひっそりとしたたかに咲いていた。
うちの庭にも勝手に侵入し、咲いている。その実は毎年よく食べる。種が多くてちょっと食べずらいけれどバナナのような味は、まあまあ悪くはない。手入れも要らない事だし。

馬場島に行ったらどうぞ、召し上がれ。黒い花のアケビも赤紫色の花のアケビも同じ味かな〜?
サンカヨウ  (メギ科)
5月下旬の早月尾根松尾平、木々の葉が茂るその前にいろいろな花たちが日差しを浴びて咲いていた。その中でひときわ目を引いていたのはサンカヨウだった。フキの様に大きな葉の中央に白い清楚な花が3〜4個。それが登山道の両脇に群生しそして、いまだ明るい林の中へと広がっていた。サンは山、カヨウとは蓮の葉、 「山の蓮の葉」そう言われればそうかも(納得のいかないオバタリアン)青紫色の実は結構おいしい。こんなにいっぱい ウフフ 楽しみ楽しみ今度は味見をしにまた行こう。
イワカガミ  (イワウメ科)
剣岳の登山口、馬場島の道路脇にポツンと咲いていた。次々と馬場島が開発され私が20数年前に初めて訪れた時とかなり様子が変わってしまった。駐車場が広げられトイレ炊事場等のキャンプ設備が整えられた。代わりに定期バスが無くなり、諸々の木々が刈られ、石造りの「馬場島荘」も今は無い。峰窓会の(秘密)前進基地のあった薄暗い森は整地され、芝生と白樺が植えらている。先輩に教えてもらった最初の高山植物がイワカガミだった。ツルツルの葉っぱは、印象深く良く覚えている。
キバナイカリソウ (メギ科)
いかり
・・・とは船を碇泊させる為に降ろす 碇 の事。決して怒っている花では無いんです。またまた私は勘違い、プンプンして頭から角を出している様だからついた名前だと思っていました。

釣舟草、碇草、これらはいったいどんな人が名づけたのだろう?怒っている花には見えない人ですよね。ロマンチストな船乗りさんかな〜立山駅裏の材木坂登山道に咲いていました。
クロユリ  (ユリ科・バイモ属)
剣岳早月尾根のクロユリ、去年7月5日撮影。人間臭い伝説がよく言われていますが、興味が無いのでここで取り上げません。どこのお殿様がどうこうしたってクロユリのせいじゃ無いもの。(おばさんの私)クロユリの香りは臭く幻滅ですが、良く見るとおしべには、いっぱい花粉が着いています。この花粉を ハエが好む臭いを出して運ばせているんです。よく考えていますね。でも繁殖は地下部の鱗茎で主に増えています。今風に言えばクローンでしょうか。
キケマン  (ケシ科)
黄華鬘
と書く。ムラサキケマンより少し標高の高い所で見ます。華鬘とは、花を糸で連ねて輪に結んだアクセサリー(花輪、レイ)だったものをまねて 牛皮・金銅・木 などで透かし彫りの飾りにされ、仏具に使われる様になったものだそうです。そう言えば、糸で繋げた様に見えますね。子供の頃レンゲソウで花輪をつくったっけ。ホノルルに行ったら空港で美しいレイを掛けてくれるってホント?
ユキツバキ  (ツバキ科)
花は〜越後のユキツバキ〜♪ と歌にもなった花ですが樹高は小さくて約1〜2mおしべは不ぞろい 花びらはナヨナヨと開いていて頼り無げで一見貧相です。でもそれは、日本海側の湿った豪雪にうまく適応した姿なんですね。しなやかでねばりのある枝は、重い雪に押しつぶされても折れにくいんです。何だかいいですね、そんなところが歌になった理由でしょうか。
ミツバツツジ  (ツツジ科)
「葉見ず花見ず」 ヒガンバナの事を 今は亡き祖母が、そのように言っていました。
ミツバツツジも花が終わってから入れ替わるように葉が出ます。サクラもそうですね。

名前の通り、葉が三枚づつ着きます。ウン!解り易いぞ。「これはミツバツツジだよ」 山で偉そうに言える。間違いない。
イワウチワ  (イワウメ科)
「岩団扇」
 その名の通り、葉がうちわ(団扇)の様に丸いからついた名前。ちなみに「天狗の葉団扇」はヤツデの葉っぱの事。どちらも常緑なのできっと葉の方が目に着いたのかもしれませんね。こんな可愛い花が解んなかったのでしょうか。
ショウジョウバカマ (ユリ科)
ショウジョウバカマとは「猩々袴」と書くそうな。猩々・・・・人の形をし、顔は猿で赤く、髪の長い想像上の動物。酒が好物とされる。(と辞書にはあった)大酒呑んだ者が、酔っ払って派手な腰蓑でも巻いていたのだろうか?出来るものなら名付け親に逢って聞いてみたいものです。ちなみに私は、「少女袴」だと思っていましたよ。